タンス預金とは、現金を自宅のタンスや金庫などに保管することです。タンス預金は、銀行に預けるよりも手数料がかからない、金利が低い時にも資産価値が下がらない、災害や事故などで銀行が機能しなくなっても現金を使えるなどのメリットがあります。
しかし、タンス預金にもデメリットがあります。その一つが、相続税の問題です。タンス預金を銀行に預けると、税金がかかるのでしょうか?また、相続対策としてタンス預金をする場合、なぜバレる可能性があるのでしょうか?
この記事では、タンス預金に関する税金や相続の注意点について解説します。
タンス預金を銀行に預けると税金がかかるのか
タンス預金を銀行に預けると、税金がかかるのかという疑問に対する答えは、かかる場合とかからない場合があるということです。タンス預金を銀行に預けるときに税金がかかるかどうかは、主に以下の2つの要因によって決まります。
- 預ける金額が一定の基準を超えるかどうか
- 預ける目的が収入を得るためかどうか
預ける金額が一定の基準を超えるかどうか
タンス預金を銀行に預けるときに、預ける金額が一定の基準を超えると、贈与税がかかる可能性があります。贈与税とは、親族や友人などにお金や財産を贈るときに、贈った人が国に納める税金のことです。
贈与税は、贈与の対象となる財産の種類や贈与の相手の関係によって、税率や非課税限度額が異なります。一般的に、贈与の対象が現金であれば、贈与の相手が親族であれば、年間110万円までが非課税となります。親族以外であれば、年間20万円までが非課税となります。この非課税限度額を超える金額を贈与すると、贈与税がかかります。
では、タンス預金を銀行に預けるときに、贈与税がかかる場合はどのような場合でしょうか?例えば、以下のような場合です。
- Aさんが、自分のタンス預金をBさんの銀行口座に預ける
- Aさんが、自分のタンス預金を自分の銀行口座に預けた後、Bさんに振り込む
- Aさんが、自分のタンス預金を自分の銀行口座に預けた後、Bさんの名義に変更する
これらの場合は、AさんがBさんに現金を贈与したとみなされる可能性があります。そのため、贈与の相手が親族であっても、年間110万円を超える金額を預けると、贈与税がかかります。親族以外であれば、年間20万円を超える金額を預けると、贈与税がかかります。
ただし、タンス預金を銀行に預けるときに、贈与税がかからない場合もあります。例えば、以下のような場合です。
- Aさんが、自分のタンス預金を自分の銀行口座に預ける
- Aさんが、自分のタンス預金を自分とBさんの共同名義の銀行口座に預ける
- Aさんが、自分のタンス預金をBさんの銀行口座に預けるが、BさんがAさんの代理人として預ける
これらの場合は、AさんがBさんに現金を贈与したとみなされない可能性があります。そのため、贈与の相手が親族であっても、年間110万円を超える金額を預けても、贈与税がかかりません。親族以外であっても、年間20万円を超える金額を預けても、贈与税がかかりません。
預ける目的が収入を得るためかどうか
タンス預金を銀行に預けるときに、預ける目的が収入を得るためであると、所得税がかかる可能性があります。所得税とは、個人が一定期間に得た収入に対して、国や自治体に納める税金のことです。
所得税は、収入の種類や金額によって、税率や控除額が異なります。一般的に、収入の種類は、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得、利子所得などに分類されます。収入の金額は、総収入から必要経費や控除額を差し引いた金額が課税対象となります。
では、タンス預金を銀行に預けるときに、所得税がかかる場合はどのような場合でしょうか?例えば、以下のような場合です。
- Aさんが、自分のタンス預金を銀行に預けて、金利を得る
- Aさんが、自分のタンス預金を銀行に預けた後、外貨に両替して、為替差益を得る
- Aさんが、自分のタンス預金を銀行に預けた後、投資信託や株式などに投資して、配当や売却益を得る
これらの場合は、Aさんがタンス預金を銀行に預けることで、収入を得たとみなされる可能性があります。そのため、金利や為替差益や配当や売却益などの収入に対して、所得税がかかります。
所得税の税率や控除額は、収入の種類や金額によって異なりますが、一般的には、所得税の税率は5%から45%の範囲で変動し、控除額は基礎控除や社会保険料控除や配偶者控除などがあります。所得税の計算方法は、以下のようになります。
所得税 = (総収入 – 必要経費 – 控除額) × 税率
例えば、Aさんが自分のタンス預金を銀行に預けて、年間100万円の金利を得たとします。Aさんは、給与所得がなく、社会保険にも加入していないとします。この場合、Aさんの所得税は、以下のようになります。
所得税 = (100万円 – 0円 – 48万円) × 5%
所得税 = 26万円 × 5%
所得税 = 1.3万円
このように、タンス預金を銀行に預けるときに、所得税がかかる場合があります。所得税がかかると、収入が減ることになります。そのため、タンス預金を銀行に預けるときには、所得税の問題に注意する必要があります。
相続対策としてタンス預金をするとなぜバレるのか
タンス預金を相続対策としてすると、なぜバレるのかという疑問に対する答えは、相続人が申告する義務があるからということです。相続税とは、亡くなった人が残した財産を相続するときに、相続した人が国に納める税金のことです。
相続税は、相続した財産の種類や金額によって、税率や控除額が異なります。一般的に、相続した財産は、不動産や預貯金や株式などに分類されます。相続した財産の金額は、総額から基礎控除や特別控除などを差し引いた金額が課税対象となります。
では、タンス預金を相続対策としてすると、なぜバレるのかということについて、具体的に見ていきましょう。例えば、以下のような場合です。
- Aさんが、自分のタンス預金をBさんに相続させる
- Aさんが、自分のタンス預金をCさんに遺贈する
- Aさんが、自分のタンス預金をDさんに生前贈与する
これらの場合は、Aさんがタンス預金を相続対策としてしたとみなされる可能性があります。そのため、BさんやCさんやDさんは、タンス預金を相続したり受け取ったりしたことを、相続税の申告書に記載する義務があります。
相続税の申告書は、相続が発生した日から10ヶ月以内に、国税局に提出する必要があります。相続税の申告書には、相続した財産の種類や金額や評価方法などを詳細に記載する必要があります。相続税の申告書に記載された内容は、国税局によって厳しくチェックされます。
国税局は、相続税の申告書に記載された内容と、実際の相続した財産の状況とを照らし合わせて、相違がないかどうかを確認します。国税局は、相続した財産の状況を確認するために、以下のような方法を用いることがあります。
- 相続人や関係者に対して、口頭や書面で質問する
- 相続人や関係者に対して、相続した財産の証拠や資料を提出するように求める
- 相続人や関係者の自宅や事務所などに立ち入って、相続した財産の実態を調査する
- 銀行や証券会社などに対して、相続人や関係者の口座や取引の情報を開示するように求める
これらの方法によって、国税局は、相続人や関係者が申告した内容と、実際の相続した財産の状況との間に、相違がないかどうかを判断します。もし、相違があると判断された場合は、追徴課税や過少申告加算税や重加算税などの処分が下される可能性があります。
以上のように、タンス預金を相続対策としてすると、相続人が申告する義務があるため、国税局にバレる可能性があります。
また、バレた場合は、追徴課税や過少申告加算税や重加算税などの処分が下される可能性があります。そのため、タンス預金を相続対策としてするのは、おすすめできません。
まとめ
タンス預金を銀行に預けると、税金がかかる場合とかからない場合があります。税金がかかるかどうかは、預ける金額が一定の基準を超えるかどうか、預ける目的が収入を得るためかどうかによって決まります。
預ける金額が一定の基準を超えると、贈与税がかかる可能性があります。預ける目的が収入を得るためであると、所得税がかかる可能性があります。
タンス預金を相続対策としてすると、相続人が申告する義務があるため、国税局にバレる可能性があります。バレた場合は、追徴課税や過少申告加算税や重加算税などの処分が下される可能性があります。そのため、タンス預金を相続対策としてするのは、おすすめできません。
タンス預金は、メリットもありますが、デメリットもあります。タンス預金をする場合は、税金や相続の問題に注意する必要があります。タンス預金をするかどうかは、自分の財産や目的に合わせて、慎重に判断することが大切です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。