物質の電気抵抗がなくなる超伝導。常温超伝導とは、ごく低温や高圧といった特異な環境下ではなく、室温で起こることを指します。常温超伝導が実現すれば、電力の無駄がなくなり、さまざまな技術の発展につながると期待されます。
最近、常温超伝導が実現したかもしれないというニュースが報じられました。韓国の研究チームが、銅を添加した鉛材料「LK-99」を合成し、室温かつ常圧で超伝導性を示すことを発見したとするものです。
賛否両論が巻き起こり、検証や追試がすすめられているなか、韓国、アメリカ、中国の3カ国にわたる研究機関から再現できたとの報告もあがってきています。
まだ確定的なことはいえませんが、常温超伝導が実現すると社会の多くの分野においてインパクトのある変化をもたらす可能性があります。この記事では、常温超電導が実現したら何ができるのか、社会が変わる10の分野について紹介していきます。
常温超伝導が実現したら何ができる?
常温超伝導の応用例
常温超伝導がもたらす可能性と、その応用例について紹介します。常温超伝導が実現すれば、電気の伝導において革新的な変化が起きることが期待されています。
例えば、高速で効率的な電力伝送が可能になり、電力ロスが減少します。また、超高速で動作するコンピューターや量子コンピューターの実現が見込まれています。さらに、エネルギーの効率的な変換や貯蔵技術の革新にも貢献することが期待されており、再生可能エネルギーの普及や地球温暖化対策にも大きな影響を与える可能性があります。
常温超伝導の応用例は多岐にわたり、社会や産業の発展に大きく寄与することが期待されています。
常温超伝導のメリットとデメリット
常温超伝導には、いくつかの利点やメリットが存在します。まず、従来の低温超伝導と比べて、冷却装置を必要とせずに超伝導現象を起こすことができます。これにより、省エネルギー化やコスト削減が可能となります。
また、常温超伝導は広い温度範囲で超伝導現象が起こるため、より多くの応用が期待されています。例えば、電力伝送の効率化や電子機器の小型化などが可能となるでしょう。さらに、常温超伝導は超電導材料の開発が進めば工業用途や医療技術など幅広い分野での利用が可能となるでしょう。
一方で、常温超伝導にはいくつかの課題やデメリットも存在します。まず、常温超伝導の現象や仕組みがまだ完全に解明されていないことがあります。そのため、材料の開発や性能の向上には時間と努力が必要となります。
また、常温超伝導材料は高温焼結などの特殊な製造プロセスが必要であり、製造コストが高い場合があります。さらに、超電導材料は磁場に強い影響を受けるため、実用化するには磁気シールドなどの技術も必要とされます。
これらのメリットやデメリットを踏まえつつ、常温超伝導の研究は現在も進んでおり、より高温での超電導現象の実現が求められています。
常温超伝導が実現すると、MRIがヘルメットサイズになる、なんて話も出ているけど、実用化するには磁気を遮断できる技術が必要なんだよね。
宇宙船クルーを放射線被爆から守る磁気アクティブシールドが研究されているんだけど、冷却系の重量比が大きすぎて、常温超伝導体の発見が急がれているのよ。
常温超伝導で社会が変わる10の分野
なんだか未来への可能性しかないね!実現したら本当に社会が大きく変わりそうだね!
今回の報道をうけて、一部の分野や企業ではすでに株が買われているのよ!
まとめ
- 社会のインフラ(電力、交通、エネルギー)に大きな変革をもたらす
- 量子コンピューターの実用化が加速され、AIや暗号分野がさらなる進化をとげる
- 新たな素材や医療技術、革新的なデバイスが生み出される
- レーザー加工、レーザー通信、ナノテク、バイオテックで技術革新がすすむ
- 再生エネの発展、環境負荷低減、エネルギー問題の解決へ
- 宇宙開発、人工衛星の性能向上、宇宙エレベーターの実現へ
私達の社会、暮らしにたいへん大きなインパクトをもたらす「常温超伝導」の実現。
電気・伝導にかかわる、ありとあらゆる分野に革新が生まれ、レボリューションが起こるといっても過言ではありません。
これから今回の発見が、どのような未来につながっていくのか、見守ってゆきましょう!