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【驚愕】ダークパターンの事例と対策~あなたはWebで騙されていないか?

【驚愕】ダークパターンの事例と対策~あなたはWebで騙されていないか? テック

ネットショッピングで父母にプレゼントを贈りたいと思っているあなた。でも、気を付けてください。あなたが見ているウェブサイトやアプリには、ダークパターンと呼ばれる消費者を不利な決定に誘導する手法が隠されているかもしれません。

消費者庁が2023年9月に公表した調査結果によると、ダークパターンの経験者は消費者の9割に上り、そのうち約3割がトラブルに巻き込まれたと回答しています。

この記事では、ダークパターンとは何か、どのようなトラブルが起こるのか、どうやって気づくか、どうやって回避するか、などについて解説します。ダークパターンに騙されないために、ぜひ参考にしてください。

ダークパターンとは何か?

ダークパターンとは、ウェブサイトやアプリの表記やデザインで、消費者の心理を利用して不利な決定に誘導する手法のことです。

例えば、商品の在庫や購入期限が少ないという虚偽の表示や、解約や退会が困難な仕組みなどがあります。これらの手法は、費者の心理や行動を利用して、本来の意思とは異なる選択をさせることを狙っています。

ダークパターンは、ユーザーの心理的なバイアスや認知的な錯誤を利用しています。 例えば、以下のような心理的な要因がダークパターンに影響しています。

  • 損失回避:失うことを嫌う心理
  • デフォルト効果:初期設定に従いがちな心理
  • フレーミング効果:表現の仕方によって判断が変わる心理
  • バンドワゴン効果:多数派に従いがちな心理
  • スカシティ効果:希少性に惹かれる心理

ダークパターンは、消費者の権利や利益を侵害するだけでなく、信頼や満足度を低下させることにもつながります。

ダークパターンによるトラブルの実態と対策

消費者庁が2023年9月に公表した調査結果によると、ダークパターンの経験者は消費者の9割に上り、そのうち約3割がトラブルに巻き込まれたと回答しています。

トラブルの内容としては、不必要な商品やサービスを購入させられた、キャンセルや返品ができなかった、定期購入や有料登録に気づかなかった、などが多く挙げられています。

これらのトラブルは、消費者の負担や不満を増やすだけでなく、消費者紛争や訴訟に発展する可能性もあります。

消費者庁は、ダークパターンによる消費者トラブルを防ぐために、以下のような対策を行っています。

  • 消費者に対しては、ダークパターンに注意するよう呼びかけるとともに、気づいた場合は消費者ホットラインに相談するよう促しています。
  • 事業者に対しては、ダークパターンを使用しないよう指導するとともに、違反した場合は消費者契約法や不当景品類及び不当表示防止法などの法令に基づいて厳正に対処すると表明しています。
  • 国際的な取り組みに対しては、OECDやG20などの国際機関と連携して、ダークパターンに関する情報交換や政策協議を行っています。

ダークパターンに気づく方法と回避する方法

ダークパターンに騙されないためには、まずは気づくことが重要です。ダークパターンに気づく方法としては、以下のようなポイントがあります。

  • ウェブサイトやアプリの表記やデザインに疑問を持つ。例えば、文字が小さくて読みにくい、色や形が目立たない、チェックボックスが予め選択されている、などの場合は、注意が必要です。
  • ウェブサイトやアプリの情報を確認する。例えば、利用規約やプライバシーポリシー、キャンセルや返品の方法、定期購入や有料登録の条件、などの情報をしっかりと読んで理解することが大切です。
  • ウェブサイトやアプリの評判を調べる。例えば、口コミやレビュー、SNSやブログなどの情報を参考にして、他の消費者の意見や経験を知ることが有効です。

ダークパターンに気づいたら、次に回避することが必要です。ダークパターンを回避する方法としては、以下のようなポイントがあります。

  • ウェブサイトやアプリから離れる。例えば、別のタブやウィンドウを開く、ブラウザやアプリを閉じる、スマホやPCの電源を切る、などの方法で、ダークパターンの影響を遮断することができます。
  • ウェブサイトやアプリの設定を変更する。例えば、通知やメールの受信を拒否する、クッキーやキャッシュを削除する、ブロックやブラックリストに登録する、などの方法で、ダークパターンの接触を減らすことができます。
  • ウェブサイトやアプリの利用をやめる。例えば、キャンセルや返品をする、解約や退会をする、アカウントや登録情報を削除する、などの方法で、ダークパターンの被害を防ぐことができます。

ダークパターンの具体的な例と種類

ダークパターンには、様々な種類や例があります。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。

これらは、消費者にとって不利ないし意図せざる決定をさせるウェブサイトやアプリの表記・デザインのことで、海外でも国内でも問題になっています。

消費者庁は、ダークパターンに注意するよう呼びかけており、消費者の権利を守るためにも、こうした手法にだまされないようにしましょう。

【アージェンシー】虚偽のカウントダウンタイマー(緊急)

Urgency(緊急)とは、事実と異なる期間を設定してユーザーに購入の意思決定を焦らせる手法です。「あと10分で」などと表示して、消費者に急かす手法で、「アージェンシー」と呼ばれます。

例えば、「まもなくセール終了、お急ぎください!」といった表示でユーザーを焦らせながら、実際にはセール期間が開示されていないといったケースがあります。

(実際には、時間が経っても同じ表示が続いたり、リロードすると時間がリセットされることがあります。)

この手法は、消費者の緊急性バイアスを利用して、慎重に考える時間を奪うことを狙っています。

  • 事例1:JTBのホテル予約
    日本最大の旅行会社JTBは、ホテル予約の際に、在庫僅少や他のユーザーの閲覧数を表示して、ユーザーに予約を急がせる手法を使っています。しかし、これらの数字は実際の在庫や閲覧数とは関係なく、ランダムに変化するものであることが指摘されています。
  • 事例2:Booking.comの宿泊予約
    世界最大の宿泊予約サイトBooking.comは、宿泊施設の詳細ページに、残り部屋数や予約数、閲覧数などを表示して、ユーザーに予約を急がせる手法を使っています。しかし、これらの数字は実際の状況とは一致しない場合が多く、欧州では消費者保護の観点から問題視されています。

【スケアシティ】虚偽の在庫表示(希少性)

Scarcity(希少性)とは、商品の希少性をアピールし、ユーザーに購入を急がせる手法です。「残り1点」などと表示して、消費者に買い逃さないようにさせる手法で、「スケアシティ」と呼ばれます。

例えば商品のカート付近に「在庫3点」「在庫僅少」といったメッセージが表示されると、ユーザーは「急いで買わないといけない」と感じます。

本当に品切れが頻発する人気商品であれば、在庫情報は有用な情報です。しかし、この心理を悪用して不当にユーザーを焦らせるのはダークパターンに該当します。プリンストン大学が調査したサイトの中では、すべての商品に対して「在庫僅少」をうたうECサイトも存在しました。

(実際には、在庫が豊富にあったり、在庫が無限にある場合があります。)

この手法は、消費者の希少性バイアスを利用して、商品の価値を高めることを狙っています。

  • 事例1:ユニクロのセール商品
    日本最大のアパレルブランドユニクロは、セール商品の詳細ページに、その商品の在庫数を表示しています。これは、ユーザーに商品の希少性を感じさせることで、購入を促す手法です。しかし、この在庫数は実際の在庫数とは一致しない場合があり、ユーザーを誤認させる可能性があります。
  • 事例2:ZARAのセール商品
    スペイン発のアパレルブランドZARAは、セール商品の詳細ページに、その商品の在庫数と残り時間を表示しています。これは、ユーザーに商品の希少性と緊急性を感じさせることで、購入を促す手法です。しかし、この在庫数と残り時間は実際の状況とは一致しない場合があり、ユーザーを誤認させる可能性があります。

【ミスディレクション】大きな「登録」ボタン/目立たない「いいえ」ボタン(誘導)

Misdirection(誘導)とは、文章やデザイン、感情などを利用して、ユーザーに特定の選択肢を選ばせたり、選ばせないようにしたりする手法です。文章やデザイン、感情などを利用して、消費者に特定の選択肢を選ばせたり、選ばせないようにしたりする手法で、「ミスディレクション」と呼ばれます。

例えば、ユーザーの同意を得るポップアップで、拒否する選択肢の文言を「いいえ、私は正規料金で購入することを好みます」などと表記することで、ユーザーの感情に訴えて「はい」を選択するように誘導するケースがあります。

(登録しない選択肢のボタンが小さく目立たない色になっていたり、登録しない選択肢の文言が「いいえ、私は正規料金で購入することを好みます」と消費者の羞恥心に訴えたりすることがあります。)

この手法は、消費者の注意や判断をそらすことを狙っています。

  • 事例1:LINEの友だち追加
    日本最大のメッセージアプリLINEは、友だち追加の際に、電話帳の連絡先を自動で登録するかどうかを選択させる画面が表示されます。この画面では、電話帳の連絡先を登録することで、友だちが増えるというメリットを強調し、登録するボタンが目立つように配置されています。一方、登録しない場合のボタンは小さく、わかりにくい場所にあります。また、登録しない場合の文言は「友だちを探すのをあきらめる」というネガティブな表現になっています⁶。
  • 事例2:Spotifyのプレミアム会員登録
    世界最大の音楽ストリーミングサービスSpotifyは、プレミアム会員の無料体験を勧める画面が表示されます。この画面では、プレミアム会員の特典を強調し、無料体験を選択するボタンが目立つように配置されています。一方、無料体験をしない場合のボタンは小さく、わかりにくい場所にあります。また、無料体験をしない場合の文言は「いいえ、私は広告付きで聴くことを好みます」というネガティブな表現になっています。

【ソーシャルプルーフ】虚偽のレビュー人気やお気に入り行動(社会的証明)

Social proof(社会的証明)とは、他人の行動を根拠として商品に人気があるように見せかけて、ユーザーの購入意思決定に影響を与える手法です。他人の行動を根拠として商品に人気があるように見せかけて、消費者の購入意思決定に影響を与える手法で、「ソーシャルプルーフ」と呼ばれます。

(商品の詳細ページにおいて、その商品を多くのユーザーが閲覧してお気に入りに追加しているように見せかけたり、出自が不明なユーザーレビューで人気が高いように見せかけたりすることがあります。)

この手法は、消費者の社会的証明バイアスを利用して、商品の信頼性や満足度を高めることを狙っています。

  • 事例1:楽天のお気に入り登録数
    楽天は、商品の詳細ページに、その商品をお気に入りに登録したユーザーの数を表示しています。これは、その商品に対するユーザーの関心や評価を示す指標として、ユーザーに購入を促す手法です。しかし、このお気に入り登録数は実際の購入数とは関係なく、ユーザーを誤認させる可能性があります。
  • 事例2:Amazonのユーザーレビュー
    Amazonは、商品の詳細ページに、その商品に対するユーザーレビューを表示しています。これは、ユーザーに商品の品質や満足度を伝えることで、ユーザーに購入を促す手法です。しかし、ユーザーレビューには、商品を実際に購入していない人や、商品の販売者や関係者によるものも含まれており、ユーザーを誤認させる可能性があります。

【オブストラクション】解除や解約を手間取らせる(障害物)

Obstruction(障害物)とは、登録解除やキャンセルなどの行動を取りたい場合に、過度な障害を設けてユーザーが希望する行動を取らせない手法です。登録解除やキャンセルなどの行動を取りたい場合に、過度な障害を設けてユーザーが希望する行動を取らせない手法で、「オブストラクション」と呼ばれます。

(サブスクリプションの契約を解除したいのにメニューが隠されていたり、解約する前に数ページにわたる長いアンケートに延々と答えなければ手続きを完了できなかったりする場合があります。)

この手法は、消費者の行動のコストを高めることを狙っています。

  • 事例1:Netflixの退会手続き
    世界最大の動画配信サービスNetflixは、退会手続きの際に、退会の理由を選択させる画面が表示されます。この画面では、退会の理由に応じて、退会を思いとどまらせるようなメッセージやオファーが表示されます。例えば、「料金が高い」という理由を選択すると、「料金プランを変更する」というオプションが提示されます。また、「見たいものがない」という理由を選択すると、「おすすめの作品を見る」というオプションが提示されます。これは、ユーザーの退会意思を揺さぶることで、退会を阻止しようとする手法です。
  • 事例2:Spotifyの退会手続き
    Spotifyは、退会手続きの際に、退会の理由を選択させる画面が表示されます。この画面では、退会の理由に応じて、退会を思いとどまらせるようなメッセージやオファーが表示されます。例えば、「料金が高い」という理由を選択すると、「無料プランに変更する」というオプションが提示されます。また、「使い方がわからない」という理由を選択すると、「Spotifyの使い方を学ぶ」というオプションが提示されます。これは、ユーザーの退会意思を揺さぶることで、退会を阻止しようとする手法です。

【フォースドアクション】強制開示させる(強制)

Forced action(強制)とは、ユーザーにとって不要な行動を強制する手法です。希望の行動を行うために、それとは関係のない行為(個人情報やプライバシー開示など)を強要する手法で、「フォースドアクション」と呼ばれます。

例えば、サービスの利用を継続するために、個人情報の提供やメールマガジンの登録などを必須にするケースです。

(無料のレポートをダウンロードするために、メールアドレスや電話番号などの情報を入力するよう求められたり、さらには自動的にメールマガジン配信やプロモーション協力の合意が強制される場合があります。)

  • 事例1:LINEの友だち追加
    LINEは、友だち追加の際に、電話帳の連絡先を自動で登録するかどうかを選択させる画面が表示されます。この画面では、電話帳の連絡先を登録することで、友だちが増えるというメリットを強調し、登録するボタンが目立つように配置されています。一方、登録しない場合のボタンは小さく、わかりにくい場所にあります。また、登録しない場合の文言は「友だちを探すのをあきらめる」というネガティブな表現になっています。これは、ユーザーに電話帳の連絡先の提供を強制することで、個人情報を収集しようとする手法です。
  • 事例2:Facebookの広告設定
    Facebookは、広告設定の際に、広告のパーソナライズをオンにするかどうかを選択させる画面が表示されます。この画面では、広告のパーソナライズをオンにすることで、自分に合った広告を見ることができるというメリットを強調し、オンにするボタンが目立つように配置されています。一方、オフにする場合のボタンは小さく、わかりにくい場所にあります。また、オフにする場合の文言は「広告のパーソナライズをオフにすると、Facebookの利用体験が悪くなります」というネガティブな表現になっています。これは、ユーザーに広告のパーソナライズをオンにすることを強制することで、広告収入を確保しようとする手法です。

ダークパターンの社会的な問題性と今後の展望

ダークパターンは、消費者個人だけでなく、社会全体にも悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ダークパターンによって、消費者の選択や行動が操作されることで、市場の競争や透明性が損なわれることがあります。

また、ダークパターンによって、消費者のプライバシーやデータが侵害されることで、個人の尊厳や自由が侵害されることがあります。

さらに、ダークパターンによって、消費者の信頼や満足度が低下することで、デジタル社会の発展やイノベーションが阻害されることがあります。

ダークパターンに対する今後の展望としては、以下のような点が挙げられます。

  • 消費者の教育や啓発:消費者にダークパターンの存在や危険性を知らせるとともに、自己防衛の方法や相談窓口を教えることが必要です。また、消費者にダークパターンを報告する仕組みやツールを提供することも有効です。
  • 事業者の自主規制や倫理:事業者にダークパターンの使用を控えるよう促すとともに、消費者の権利や利益を尊重するよう求めることが必要です。また、事業者にダークパターンのガイドラインやコードを策定することも有効です。
  • 国家や社会の規制や監督:国家や社会にダークパターンの規制や監督を強化するよう求めることが必要です。また、国家や社会にダークパターンの研究や分析を支援することも有効です。

まとめ

この記事では、ダークパターンとは何か、どのようなトラブルが起こるのか、どうやって気づくか、どうやって回避するか、などについて解説しました。

ダークパターンは、消費者の権利や利益を侵害するだけでなく、社会全体にも悪影響を及ぼす可能性があります。

消費者としては、ダークパターンに騙されないように注意するとともに、問題を報告するなどの対策をとることが大切です。

事業者としては、ダークパターンを使用しないように自主規制するとともに、消費者の信頼や満足度を高めるように努めることが大切です。

国家や社会としては、ダークパターンの規制や監督を強化するとともに、ダークパターンの研究や分析を支援することが大切です。

ダークパターンに対する取り組みは、デジタル社会の発展やイノベーションにとっても重要な課題です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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